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新伊能小図発見

蝦夷全図

蝦夷全図  研究会の井口 利夫氏の指摘もあり、国立公文書館で間宮関係の蝦夷図を詮索していて美麗な最終版伊能小図を発見した。表題が「蝦夷全図」となっているため分からなかったらしい。
 縮尺、描画形式、彩色、針穴の存在から、伊能小図の北海道図と判断される。間宮の測量データで伊能チームによって制作されたものと思われる。新発見である。

表紙表紙
昌平坂の印昌平坂の印
針穴確認中針穴確認中

針穴確認

 左の写真のように、利尻、礼文島の目立つピークに針穴が見られる。
 後日NHKの撮影取材で、裏面からLEDライトを当てたこところ、図上の測線の折れた部分の針穴が浮かび上がった。カメラマンを含め全員「オオー」と歓声を上げた。

小図概要

 地名表記などは、東博小図とほぼ等しいが、経緯線、方位線がなく、また分割図の一部ではないので、函館、松前地区も含め全道を一枚に収めている。所々に朱の修正部分があるから、正式な提出本ではなく、資料として昌平校に提供されたものではないか?稿本として整理すべきものと思われる。
 本図は電子化されておらず、詳細な検証ができない。国立公文書館で早急の電子化および公開を願う。
 また、国内外の博物館や図書館にまだ伊能図が眠っている可能性があります。これを期に新たな発見を願っています。
【補足】
 これまで、確認されている伊能小図は、東博の3枚揃い、英国グリニッチ海事博の3枚揃、都立中央図書館の2枚(東、西)、神戸市博の2枚(北海道、西)、元福山藩主阿部家の北海道図の5件のみであり、東博小図以外はすべて写本である。

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