月食部分3 - 雑録 -

 月食の食甚あたりから復円まで、細かく経過時間を観測している。

画像404右(9) と解読

初虧しょき  十九時○八分二十七秒
垂球 三十四万二千一百○四行
食甚しょくじん 二十○時二十六分十八秒
   三十四万五千三百廿九行
復円 二十一時四十四分○九秒
   三十四万八千五百五十五行
    但太陽一日行垂球 五万九千六百五十六行

食分  四分六十六秒   右暦局推歩
 観星鏡  伊能勘解由測 月金径用繭糸六八糸半

初虧 大曇天
食甚
食四分三一  明三十九糸
垂球 三十四万五千五百二十二

月金径用繭糸六八糸半」望遠鏡の倍率を表していると思われる。月の大きさは金星を繭に見立て、68個半の意味では?

雑録原書

画像404左(10) と解読

 三分七四   四十二糸 六千四百五十○
 三分五八   四十四糸 六千六百九十六
 三分一四   四十七糸 七千 ○ 十二
 二分九四   四十八糸 七千 ○六十五
 二分八五   四十九糸 七千一百一十○
 二分五五   五十一糸 七千二百○○
 二分四一   五十二糸 七千二百五十○
 一分八二   五十六糸 七千六百四十六
復円           八千五百五十七

 画像(9)の復円では 348,555 となっているが、ここでは 2行多い。

雑録原書

画像405右(11) と解読

 望遠鏡  月金径用蚕糸 平山郡蔵測之
      四十一糸三三三
初虧
食 四分四四 月明二十三糸
          垂球三十四万五千二百八十一
皆既
食甚四分六八   二十二糸   五千四百九十○
  三分七一   二十六糸   六千三百三十九
  三分五九   二十六糸半  六千五百七十○
  三分四七   二十七糸   六千六百九十六

月金径用蚕糸」郡蔵が使用した望遠鏡。忠敬さんの方が倍率が高い。

雑録原書

画像405左(12) と解読

  三分二二   二十八糸   七千○  十二
  三分     二十九糸   七千百  十○
  二分八六   二十九糸半  七千一百三十五
  二分七四   三十○糸   七千二百 ○ ○
  二分六一   二十○糸半  七千二百五十○
  二分五    三十一糸   七千二百八十七
  二分四    三十一糸半  七千三百四十六
  二分三三   三十一糸七  七千四百 ○ ○
  一分九    三十三糸   七千五百廿三

雑録原書

画像406右(13) と解読

  一分五三   二十五糸   七千六百七十五
  一分二九   三十六糸   八千○ ○ 七
  ○分○八   四十一糸   八千五百三十六
復円              八千五百八十七

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雑録 -目次-

享和二壬戌年二月十六日月食測量