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社寺、団体、個人

太鼓谷稲成神社(津和野)

渡辺一郎   季刊 伊能忠敬研究 第8号より

中国山地の小京都、津和野に伊能図がある。津和野にどうして伊能図があるのか分からなかった。行って見ればわかると思い、神社の篠戸さんにお願いして見せていただいた。1995年10月24日、夜遅く津和野に着いて、駅からビジネスホテルに電話したら、満室という。仕方がないので民宿案内所に頼んで民宿をとる。食事はないというので、外に出て一杯やってから、ラーメン屋に入り続きをやっていると、隣の二人組は観光業者らしい。海外旅行の楽屋をしきりに話している。

一人帰ったので話しかける。太鼓谷稲成にある伊能図を見に来たこと、折角きたのにただ一つしかないビジネスホテルにあぶれたこと、交通が不便でどうにもならないこと、などを話していたら、その方は私があぶれたホテルの社長さんだった。びっくりして、何でホテルの社長がラーメン屋で飲んでいるのか聞いてみた。元々は建設業の事務系統の方だった。会社が地もとの人の依頼でホテルを建てたが代金を貰えないので、経営権を取得し子会社とした。大阪の本社から送り込まれて、単身赴任で社長をやっているとのこと。バブル崩壊がこんな静かな山の中にも及んでいるという話だった。伊能図を求めて歩いていると色々なことに出会うが、忠敬も測量しながら、面白い出会いがあったと思う。

翌朝、高い石段を上がって神社に伺うと、宮司さんのご子息で、権宮司の角河さんが出てきて、伊能図を見せていただく。昨夜、ここの宮司さんのことも聞いたが、大変経営が上手で、一代の間に神社を大きくされたとのこと。もう一人の神職の方と地下の宝物倉庫から地図を持ち出して三百畳敷きの大広間に運ぶ。

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