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東日本の博物館、図書館等
●宮城県立図書館
宮城県図書館に伊能図があることを聞いて出かけたところ、学習院大学の中図だけしかないといわれていた領主名を記す中図五舗を実見して驚いている。
全体構成は、かつては学習院中図とおなじ五舗構成の沿海地図中図(普通沿海地図中図は三舗構成)と文化四年作成の畿内・中国図の組合せだったらしいが、沿海地図中図の蝦夷地と東北の北半分が紛矢して五舗が残っているものと推測される。軸装ずみ。
彩色は明かるく、青・緑系より橙色を意識させられる。描図・文字は優良という程ではないが粗略ではない。地名とともに領主名を付記している。ただ記入の簡便のため、例えば山川飛騨守知行所と書くところを、山川飛騨守ーーの如く書き、△△村と書くべき所をムムーー書いている。その他も考慮して、地図の仕上げは、学習院大学の中図より簡略である。本図は仙台藩伊達家に伝えられたものであるが、入手又は作成の経緯は不明である。写本で針穴はない。虫食いは多少あるが保存は良好である。蝦夷地・奥州北部が何故無いのかもわからないが、もしかしたら、明冶維新の後の奥羽戦争で持ち出されたのかもしれない。
合印は、宿場○、城下口、天測地点☆、郡界 ●、湊舟、神祠、寺院△とも描くが手書きである。方位線、経緯線、接合記号もある。
- 沿海地図第三 奥州の南半分 112,8 x 204cm
- 沿海地図第四 東海・東山の東半分 206 x 122.5cm
- 沿海地図第五 東海・東山の西半分 177 x 123.4cm
- 沿海地図第六 畿内(奈良盆地含む)127 x 113cm
- 沿海地図第七 中国沿海 126.5 x 207.5cm
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