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天体観測のまとめ

注意

 下の表は第1次から第9次測量までの天体観測の概要です。ただし第4次以降は観測データが残っていないため、測量日記に天測を行った記載がある日をカウントしています。
 第1次から第3次測量を見ると天体観測を行った地は測量日記に記載された観測地より約10%多くなっています。すなわち測量日記は清書本であるためか記載漏れがあります。4次以降も同程度の記載漏れがあると思われます。
 天文ファンにとって現存データは、測量日程に冬期が含まれていないため「冬の星座」の観測が極めて少なくなっています。

天体観測サマリ

測量次 出発 帰着 測量日数 日記記載 観測日数 観測率 観測恒星 延べ観測数 備考
第1次 寛政12年閏4月19日
(1800.6.11)
寛政12年10月1日
(1800.12.7)
180 65 76 42.2% 135 921
第2次 享和元年4月2日
(1801.5.14)
享和元年12月7日
(1802.1.10)
230 70 104 45.2% 153 1,137
第3次 享和2年6月11日
(1802.7.10)
享和2年10月23日
(1802.11.18)
132 76 88 66.7% 152 1,530 晴天率67%と非常に高い。この年は気象学的にも特異な年だったと思われる。
隠宅に帰着29日間延341星観測を加えると1,871星
合計 542 211 268 49.4% 234 3,584 ほぼ測量日数の半分は天測している
3回の総観測地は217ヶ所(隠居宅を含む)、複数回の観測地は1としています。
第4次 享和3年2月25日
(1803.4.16)
享和3年10月7日
(1803.11.20)
219 118 53.9% 第1次からこの第4次測量までは冬の星座の観測データは極めて少ない。
第5次 文化2年2月25日
(1805.3.25)
文化3年11月20日
(1806.12.24)
632 288 45.6%
第6次 文化5年1月25日
(1808.2.21)
文化6年1月19日
(1809.3.3)
377 130 34.5%
第7次 文化6年8月27日
(1809.10.6)
文化8年5月9日
(1811.6.28)
632 288 45.6%
第8次 文化8年11月25日
(1812.1.9)
文化11年5月23日
(1814.7.9)
914 327 35.8%
第9次 文化12年4月27日
(1815.6.4)
文化13年4月12日
(1816.5.8)
340 74 21.8%
合計(4 - 9次) 3,122 1,141 36.5%
総合計 3,664 1,352 36.9%

極まれな冬の星座観測

 観測日(西暦)と観測時間帯に注目してください。

測量次 観測日 時刻 観測地 観測恒星 現在の星座
第1次 寛政12年9月12日
1800-10-29
05:41~05:55
箱館 参宿 オリオン座
第1次 寛政12年10月9日
1800-11-25
00:24~01:03 舟廻 参宿 オリオン座
第2次 享和元年11月14日
1801-12-19
21:18~21:20 磐手郡沼宮内 昴宿 おうし座
第3次 享和2年9月23日
1802-10-19
03:06~03:36 越後國岩舩郡太郎代浜 参宿 オリオン座

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